毎日違う土地で眠りたい

「わたしたちはそういうふうにますますなって行くんじゃないかと思うのよ、ヘレン。人をたくさん知れば知るほど、代わりを見つけるのがやさしくなって、それがロンドンのような所に住んでいることの不幸なんじゃないかと思う。わたしはしまいには、どこかの場所がわたしにとって一番大事になって死ぬんじゃないかという気がする」――『ハワーズ・エンド』(E・M・フォースター/吉田健一・訳)

旅と本

【島原半島1泊2日】後編 坂口安吾とキリシタンの城跡の巻

島原半島2日目は、いよいよ原城(島原の乱でキリシタンたちが籠城し、幕府軍に敗北した城)跡へ向かう。 目が覚めると、昨日の冷たい雨が嘘のように天気は快晴だ。気温もかなり上がっている。昨日は長袖の服を着ていたが、もう一枚は半袖の服を持ってきてい…

恐竜と禅寺とだるまちゃんの旅 ―福井旅行2泊3日その①

私は移動の多い旅行をするので、旅行中の最大の願いはとにかく雨が降らないことである。その次が暑すぎないこと、寒すぎないこと。これさえ叶えば、あとはどうにかなるとさえ言ってもいい。 北陸は天気が崩れやすい地域であるが、今回の福井旅行では3日間雨…

地方性によって異なる「あなたと海へ行きたい」という言葉の意味 ——島田荘司作品への連想

尾道へ旅行した時の写真 何ヶ月か前に、ツイッターにて「太平洋側と日本海側では『海へ行こう』という言葉の意味が全然ちがう」というツイートを見かけて、とても面白いと思った。 さらに、冬であれば日本海側で「海へ行こう」という言葉は「心中しよう」と…