毎日違う土地で眠りたい

「わたしたちはそういうふうにますますなって行くんじゃないかと思うのよ、ヘレン。人をたくさん知れば知るほど、代わりを見つけるのがやさしくなって、それがロンドンのような所に住んでいることの不幸なんじゃないかと思う。わたしはしまいには、どこかの場所がわたしにとって一番大事になって死ぬんじゃないかという気がする」――『ハワーズ・エンド』(E・M・フォースター/吉田健一・訳)

2023-01-01から1年間の記事一覧

うどんと阿波踊りとゲリラライブの夜 ―香川・徳島旅行2泊3日 前編―

おそらく、私は現在が人生の中でももっとも自由な時期なのだが、それでも何かと不自由でたまらない。本当ならば、すべてを置いて旅に出たい。今回はそんな気持ちを再確認する旅行となった。 いつも旅は素晴らしい。私は本来ならば、ずっと旅することを望んで…

熊野から遠く離れて(後編) ―和歌山旅行3泊4日の覚書―

熊野3日目は、まず那智大社へ向かった。那智といえば、有名なのは那智の滝である。滝がご神体とはどういうことなのだろう? ぜひ一度見てみたいと思っていたので、この日も朝から楽しみであった。 新宮駅から列車で那智駅へ向かう。那智駅からさらにバスに乗…

熊野から遠く離れて(中編) ―和歌山旅行3泊4日の覚書―

熊野旅行2日目は、熊野古道を歩いて熊野本宮大社へと向かう。 私が歩くルートは熊野古道の中でももっとも易しく初心者向けと言われる「発心門王子~熊野本宮大社」のコースだ。下りがメインの約7㎞ほどのコースで、所要時間は3時間ほどらしい。 とはいえ、私…

熊野から遠く離れて(前編) ―和歌山旅行3泊4日の覚書―

私があまり人が行かないような場所へ旅行へ行く人間だと、周知の人びとに知られるようになったと思う。旅立つ前に、気を付けてね、だとか、楽しんできてね、だとか声を掛けられることも多くなった。 そう言ってもらえることはうれしい。どんなことであれ、自…