毎日違う土地で眠りたい

「わたしたちはそういうふうにますますなって行くんじゃないかと思うのよ、ヘレン。人をたくさん知れば知るほど、代わりを見つけるのがやさしくなって、それがロンドンのような所に住んでいることの不幸なんじゃないかと思う。わたしはしまいには、どこかの場所がわたしにとって一番大事になって死ぬんじゃないかという気がする」――『ハワーズ・エンド』(E・M・フォースター/吉田健一・訳)

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

文学、文学者を語る時、その社会面を考慮するべきか ーードナルド・キーン作品を読んで最近考えたこと

12月だったのに、美しい紅葉が見られた銀閣寺。 私は日本文学者ドナルド・キーンさんのファンで、その作品の愛読者である。つい2ヶ月前(2019年2月24日)にお亡くなりになり、最近はその作品を読み返したり、まだ読んでいない作品を読んだりしている。 キーン…

自己中心的な人間は、誰かを助けてはいけないのか ーー映画『THE GUILTY』とジッド『田園交響楽』に見る自己欺瞞との戦い

2/22公開 『THE GUILTY/ギルティ』ショート予告 - YouTube ※この記事内では、 『THE GUILTY』のネタバレはしていませんので、安心してお読みください。ただ、できる限り事前知識がない状態で観てほしい作品ではあります。 友人のSさんが映画の『THE GUILTY…