毎日違う土地で眠りたい

「わたしたちはそういうふうにますますなって行くんじゃないかと思うのよ、ヘレン。人をたくさん知れば知るほど、代わりを見つけるのがやさしくなって、それがロンドンのような所に住んでいることの不幸なんじゃないかと思う。わたしはしまいには、どこかの場所がわたしにとって一番大事になって死ぬんじゃないかという気がする」――『ハワーズ・エンド』(E・M・フォースター/吉田健一・訳)

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「いつ・どれくらい」という具体性を手に入れるまで  ――親との距離について

1人暮らしをして思うようになったのは、私の両親はとても料理が下手だったのだなぁということだ。 私は食べ物の好き嫌いの多い子どもだった。ナスもカボチャも豆類も嫌いだったし、大きいトマトも嫌いだったし、ホウレンソウもあまり好きではなかったし、と…