毎日違う土地で眠りたい

「わたしたちはそういうふうにますますなって行くんじゃないかと思うのよ、ヘレン。人をたくさん知れば知るほど、代わりを見つけるのがやさしくなって、それがロンドンのような所に住んでいることの不幸なんじゃないかと思う。わたしはしまいには、どこかの場所がわたしにとって一番大事になって死ぬんじゃないかという気がする」――『ハワーズ・エンド』(E・M・フォースター/吉田健一・訳)

社会と本

一般化する前に自己と他者の違いを認識しないといけないこと

ここ最近、足しげく読書会に行っている。月一回、自分も主催者の一人である(主催者が2人いる)読書会は、2年以上続いている。 課題本があるタイプの読書会では、いろいろな発見がありとても楽しい。私は特に、人によって一つの作品でも読者としていろんな立…

文学、文学者を語る時、その社会面を考慮するべきか ーードナルド・キーン作品を読んで最近考えたこと

12月だったのに、美しい紅葉が見られた銀閣寺。 私は日本文学者ドナルド・キーンさんのファンで、その作品の愛読者である。つい2ヶ月前(2019年2月24日)にお亡くなりになり、最近はその作品を読み返したり、まだ読んでいない作品を読んだりしている。 キーン…